杉山不動産鑑定

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不動産豆知識

地目のはなし

まずは、基本的なはなしから・・・

土地の現況および利用現況による区分をいい、不動産登記法施行令3条によれば、土地の主たる用途により、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地の21種類に区分されている。

地目(土地の利用の仕方の記載事項)について説明します。

地目については不動産登記事務取扱手続準則に21個の地目が定められておりその中に最も現地に合うものに合わせることを地目変更登記と言います。

・田
・畑
・宅地(建物の敷地)
・塩田(塩を引き入れて塩を取る土地)
・鉱泉地(温泉の湧き出ている土地)
・池沼(田等の用水でない池)
・山林
・牧場
・原野
(耕作しないで雑草などが多く生えている土地)
・墓地

・境内地(寺などの土地)
・運河用地
・水道用地(水道に使う貯水池など)
・用悪水路(灌漑・悪水を流す水路敷)
・ため池(灌漑用の溜池)
・堤(堤防敷)
・井溝(村落などの間にある通水路)
・保安林(森林法による保安林と指定された土地)
・公衆用道路(一般の交通に使われている道路)
・公園
・雑種地
(上記に当てはまらない土地。 例えば資材置き場,駐車場など)

これら21の地目があり、自分の土地の利用を変更したときは、1ヶ月以内に地目の変更登記をいないといけません。

自分の田に建物を建てられるのか?

「自分の田に建物を建てたい」と考えたとします。
第一に農地転用の許可を得て、農地台帳(各市町村の農業委員会に備え付けの台帳から自分の土地を消す手続)から農地として管理されているものを除外し、現地に土を入れて建物を建てられるように整地し、建物を建てたら地目変更ができます。但し、都市計画区域内の市街化区域(既に市街化又は市街化していこうとしている地域)では生産緑地等に指定されている場合は除き、容易に変更できるが、生産緑地に指定されている場合や、市街化調整地域等に指定されている場合は厳しい条件があり難しいです。

一度自分の土地の謄本を請求し確認してみてはいかがですか?

基本的には……土地が実際にどう使われているかと、その【地目】(登記簿の上での利用状態)とが合致しているのが望ましいですし、そうあるべきです。

ところが冒頭のハナシのように「宅地だと思ってたのに畑だった!」なんていうこともあり得てしまうそのわけは、法務局にある土地の『不動産登記簿』が、なんと明治時代に作られた『公図(こうず)』をもとにしている、したままであることが多いことに起因します(日本史で“地租改正”とか習った記憶のある方、ソレで作られたものです)。

当時は測量技術も未熟でしたし、なにせ所有者自身の自己申告で作られたので問題が多いのです。 もちろんこのように登記簿と現状とが異なっている状況はよろしくありません。一致させるに越したことはありません。土地に関するトラブルは多いものですし、また固定資産税の課税の際の不利益をこうむることもあります(『畑』に『宅地』の課税をされてたら!)(『宅地』なのに『畑』なみの値段で売れと言われたら!)。

正確な調査をするには測量士や土地家屋調査士など専門家に依頼する必要があり、その費用は基本的に自己負担になります。
懐、イタイですね。

用悪水路って何?

たまに見かける地目に「用悪水路」というものがあります。 これは「灌漑用又は悪水排泄用の水路」を言います。これに対して「井溝(せいこう)」という地目は「村落の間にある通水路(生活用水、井戸の溝)」のことです。 特に井溝って聴きなじみがありません。実際、多くの水路は地番なしで公共に帰属する、公図(地籍図)でいえば青線が多いです。

ため池と池沼の違いは?

登記簿の地目で、「ため池」とは耕地灌漑用の用水貯留池」、池沼とは「灌漑用水でない水の貯留池」のことを示します。 農耕用に利用していたら「ため池」で、それ以外で釣り堀や養魚場なども「池沼」ということになります。 ため池や池沼の売買はあまりありませんが、鑑定評価する場合には宅地への転換可能性を勘案し、水抜き、埋め立て、地盤改良工事等を考慮してコスト面からアプローチする方法もあります。

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